1.物語の舞台
まずは、この物語の舞台となる場所についての設定です。
物語の舞台は、双造大陸グラストリアという、一つの島のような大陸です。
「双造」とは、2つの力が互いに干渉しあって、新たな何かが作り出される、という意味です。
また、何故「双造」なのかというのは、この大陸に伝わる古い神話に遡ります。
太古の時代に、1人の神が居た。
彼は、滅びと創造を司る力を持っており、その力の象徴が1本の剣であった。
しかし、その神があるきっかけで深い眠りにつく際、その剣が2本に分かれてしまう。
滅びを司る剣と、創造を司る剣とに。
そして、この2本の剣を巡り、2人の神が争いを始めた。
互いがこの2本の剣の1本づつを携えて。
そして、この2人の神が振るった2本の剣がぶつかり合った際、その衝撃の余波で一つの大陸が生まれた。
そして、その衝撃で争っていた2人の神は死んだ。
残った神々は、この2本の剣を「双造剣」と名づけ、新たに生まれた大陸にこの2本の剣を封印した。
いつしかこの大陸は「双造大陸グラストリア」と呼ばれるようになる。
人や様々な動植物、そして神霊(しんれい)と呼ばれる風、水、炎、地、雷、氷、闇、光の力を持った存在が住まうようになった─
これが、大まかな神話の内容です。
これを読んでもらえれば、グラストリアの地がどんな風に生まれたか、というのが判ると思います。
2.神霊と気、及び気法について
さて、次はこの小説の中で行使される気法(きほう)というものについてです。
これは、RPGでいうところの魔法のようなものと考えてもらえればOKです。
そして、この気法の行使のために使われる力が気(プラーナ)といい、大まかに3種類の気が存在します。
(1)神霊気(アストラル・プラーナ)
このグラストリアで最も多用されている気の種類です。
風、水、炎、地、雷、氷、闇、光という8元素の力を持つ、神霊と呼ばれるものたちがこの気を持っています。
そして、この気を利用して行使する気法のことを神霊気法(しんれいきほう)といいます。
(2)心皇気(フォース・プラーナ)
気の中で最も根底にあるとされる気で、生物の生命エネルギーのことを指します。
ただし、生命力とか、生命そのもの、と言う意味ではなく、生きるための活力みたいなもの、と考えて下さい。
そして、この気を利用して行使される気法のことを心皇気法(しんおうきほう)といいます。
(3)精神気(マインド・プラーナ)
人間の心の思い、いわば精神力そのものとされるものを指します。
言い換えれば、心の力、という捉え方もできます。
そして、この気を利用して行使される気法のことを精神気法(せいしんきほう)といいます。
このうち、心皇気と精神気はどんな生物も持ち合わせています。
ただ、きちんと気法の扱い方を学ばないと、それらを扱うことが出来ない、と言うだけです。
そして、この気法を学ぶ過程で神霊気の扱い方も同時に覚えていくことになる、と言うわけです。
また、精神気はこれを扱える人たちが既に滅んでおり、グラストリアにはその存在のみが伝えられています。
なお、この世界で気というと、ただ単に漠然とこれら3種類の気の総称ではなく、気が関わるもの全てを指した呼び方になります。
3.神霊士について
先の気法と関わる重要な設定に、神霊士(プラーナー)というものがあります。
その名の通り、気法を使える人たちの総称で、更に神霊士の力の強弱によって様々にランク付けがされています。
高い位から順に…
最高神霊士(プラーナ・マスター)
神霊護士(プラーナ・ロード)
神霊撃士(プラーナ・セイジ)
神霊士(プラーナー)
神霊使い(プラーナ・ユーザー)
…となっています。
ただし、この中で神霊護士と神霊撃士は同ランクの扱いとなっています。
そして、これらの神霊士を超越した存在として、神霊選択者(プラーナ・セレクター)と言うものが存在します。
これは、それぞれの神霊たちを統括する神霊王(しんれいおう)に生まれつき選ばれた人たちのことを言います。
この神霊選択者になるべく運命付けられた人たちは、必ずグラストリアに大きな災厄が起こる10数年前に生まれています。
そして、この地の災厄を防ぐべく、運命付けられています。
神霊選択者になるものたちは、必然的に神霊士の道を志し、幼い頃から神霊選択者となる神託を夢で度々告げられることになります。
万が一、神霊選択者が死んでしまうようなことがあった場合、すぐさまその使命は不特定の誰かに受け継がれることになります。
尤も、神霊選択者は神霊王に守護されているので、よほどのことがない限り、死んでしまうということはありません。