…
……ん…
─うう、ん…。
気が付くと、俺は地面に突っ伏していた。
どうやら、戦っている最中に意識を失っていたらしい。
気だるさと痛みの残った体をゆっくりと起こす。
そして、周囲を見回して呆然とするしかなかった。
辺りには、見回す限りの俺達にいきなり襲い掛かってきたであろう魔物の死骸。
そして、俺の見知った人達…俺が共に気法を学んできた仲間たちの亡骸が、累々と横たわっていた。
─…酷い…何もかもがムチャクチャだ…。
あまりの凄惨な光景に、俺は無意識の内に手を握り締めた。
その刹那、ぬるり、とした感触を覚える。
俺は思わず自分の手を見やり…言葉を失った。
俺の手は…紅に染まっていた。
その紅の正体は、まごう事なき人間の血。
弾かれるように自分の服装を見渡すと、服の大部分がやはり紅に染め上げられていた。
─まさか…まさか…これは…!
俺がやったのか?
考えたくなかった。しかし、そう考えるしかない。
俺の考えがその最悪のシナリオへと辿り着くのには、そう刻は要らなかった。
─うわぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァッ…
俺はその事実を前に、ただただ悲痛に叫ぶ事しか出来なかった…。
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